当科の紹介
消化管疾患・診療実績

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消化管グループ紹介
消化管グループでは、食道・胃・十二指腸・小腸・大腸の疾患の診療をしています。
消化管の癌は早期に発見して治療することで完治させることができます。また早期癌の中でも特に粘膜内にとどまるような深さで発見すると、内視鏡手術で治療可能です。当科では、消化管癌を内視鏡手術で治療できる段階で発見することを目標に丁寧かつ苦しくない内視鏡検査を心がけています。
また潰瘍性大腸炎・クローン病等の炎症性腸疾患に対する専門的な治療、逆流性食道炎・胃十二指腸潰瘍・ヘリコバクターピロリ感染症・機能性胃腸症等、良性疾患に対する治療も行っています。

主な対象疾患
1)食道癌
●診断
上部消化管内視鏡検査および生検(組織検査)で診断します。ステージ(進行度)の決定のため、CT検査・腹部超音波検査等も行います。
●治療
当院では食道癌診療ガイドライン2017年版に基づき、キャンサーボード(週1回の消化器内科・消化器外科・腫瘍内科・放射線科医師によるカンファレンス)において、ステージを決定し、ガイドラインにおける標準治療を行っています。
①内視鏡手術(ESD,EMR):当科で行います。
②外科手術:消化器一般外科で行います。
③化学放射線療法:腫瘍内科・放射線治療科で行います。

(日本食道学会編 食道癌診療ガイドライン 2017年版 第4版)
当科では表在食道癌に対し内視鏡手術を行っています。壁深達度が粘膜層(T1a)のうちEP(粘膜上皮), LPM(粘膜固有層)の病変ではリンパ節転移は極めて稀であり、内視鏡手術 で十分な根治性が得られます。壁深達度がMM(粘膜筋板)に達したもの、SM(粘膜下層(T1b))にわずかに浸潤するもの(200μmまで)では、内視鏡手術も可能ですが、リンパ節転移の危険性があり、相対的な適応とされています。SM(粘膜下層(T1b))に深く入ったもの(200μm以上)では50%程度のリンパ節転移があり、内視鏡手術は適応外となります。但し、治療前の壁深達度診断には限界があり、内視鏡手術後の病変の組織診断によっては、内視鏡手術の後に追加治療が必要となることがあります。
また、当科では周在性の広い表在食道癌に対してもESDを行っています。切除した潰瘍が食道の3/4周以上に及ぶ場合は、内視鏡手術後の瘢痕狭窄の発生が予想されますので、ステロイドの注射を潰瘍に行い、さらに必要時にはステロイドの内服も併用し、食道の狭窄を予防します。予防対策を行っても狭窄が生じた場合には、内視鏡的バルーン拡張術を行います。

2)胃癌
●診断
上部消化管内視鏡検査および生検(組織検査)で診断します。ステージ(進行度)の決定のため、CT検査・腹部超音波検査等も行います。
●治療
当院では胃癌治療ガイドライン第6版に基づき、キャンサーボード(週1回の消化器内科・消化器外科・腫瘍内科・放射線科医師によるカンファレンス)において、ステージを決定し、ガイドラインにおける標準治療を行っています。
①内視鏡手術(ESD,EMR):当科で行います(下記内視鏡治療を参照)。
②外科手術:消化器一般外科で行います。
③化学療法:腫瘍内科で行います。
