当科の紹介
教授挨拶
昭和大学藤が丘病院 消化器内科
教授 長濵 正亞
はじめに
一般的に病院は「大学病院」、「専門病院(がんセンターなど)」、「一般病院(急性期病院)」、「療養型病院」などに分類されて呼ばれることが多いと思います。
昭和大学藤が丘病院は「大学病院」ですが、一般急性期病院の側面も専門病院の側面も併せ持っており、地域の中核病院でありながら医療従事者の研修教育を行いつつ臨床研究も活発に行っている病院です。各診療科が専門別にありますが、いわゆる大学病院よりも診療科間の敷居が低く各科相談のしやすい環境であり、協力して診療を行っているのが特徴です。また藤が丘病院の開院当初には2年半で内科全科を研修するスーパーローテーションという内科研修が行われていた歴史もあり、後輩の育成・指導についても実績のある病院です。
当科について
藤が丘病院の消化器内科は全国的にも早くから内視鏡センターが設立されました。内視鏡的乳頭切開術の開発者の1人である藤田力也名誉教授が内視鏡検査・治療を積極的に進めるべく1991年に本邦では先駆けとなる内視鏡センターを立ち上げ、その後1995年3月には昭和大学国際内視鏡教育センターを創設し、2001年に昭和大学北部病院に移管されるまで世界各国からの研修生を受け入れてきました。自分は1995年頃に藤が丘病院の内視鏡見学に来ていたのですが、多くの海外留学生が朝のカンファランスで英語で活発に討議していたのが印象に残っております。
当科では現在も上下部内視鏡診療および胆膵内視鏡診療に特に力を入れており、先進内視鏡診療から後輩の内視鏡指導・育成を積極的に行っています。また当科は消化器・一般外科とともに消化器センターとしての診療を開始しています。内科と外科が密接に連携することで、患者様のニーズに応えるシームレスな診療体制を構築しています。
勤務体制について
最近医師の働き方についても改革が求められる時代となっています。昭和大学では勤務体系にシフト制を取り入れております。救急当直業務は救命センターへの一定期間出向時に行い、当科での勤務時は病棟当直のみとし、いずれの夜間勤務後当直明けには帰宅できるよう調整しております。
また当科では病棟業務の夜間・休日対応についても交代制勤務となるよう体制を整えております。その分、申し送りをしっかり行うこと、患者さんへの診療内容・説明内容の情報共有を徹底すること、各カンファランスでも診療内容を共有することとしています。さらに緊急内視鏡など緊急の消化器内科診療に対応するため指導医と担当医2人のペアでオンコール医師を構成して対応しています。病院に長時間いることが美徳とされた時代もありましたが、これからは心身共に医師側が健康であることが重要です。また交代制勤務とすることで1人の患者様に多くの医師が関わって診療することとなり、これもメリットの1つではないかと考えています。
さらに当科の特徴として女性医師が多いことも挙げられます。女性医師は妊娠された場合、出産のための産休・出産後の育休を取得していただき、復帰後はご本人の生活状況とキャリアの継続について個別に相談し、時短勤務の選択も含めて外来診療と内視鏡診療および教育・研究を中心に積極的に診療していただいております。
おわりに
消化器内科はどこの病院でも患者さんが多く、救急診療でも腹痛の方が多く来られます。人生の中で腹痛を感じたことが無い、という方はほとんどいないと思います。それだけ必要とされている診療科だと自負しています。しかし腹痛の原因が心筋梗塞であったり、尿路結石であったり、婦人科疾患であったりさまざまであり、消化器内科の専門分野ではない疾患が腹痛の原因であることもしばしばあります。ですから当科のスタッフにはまず内科学のジェネラリストとして、そして消化器領域のスペシャリストとして診療できる医師を目指してもらいたいと思っています。
また近年の高齢化社会においていくつもの疾患を抱えている方が多くなっております。そのような中で低侵襲な内視鏡治療の必要性は高まっており、今後もますます広がっていくと思われます。これからも安全で確実な診療をスタッフ一同で協力して提供していきたいと考えています。
略歴
学歴
-
平成4年3月:横浜市立大学医学部卒業
-
平成23年4月:昭和大学医学博士(乙) 修了
職歴
-
平成6年6月1日:横浜市立大学医学部 第三内科
-
平成10年3月1日:昭和大学藤が丘病院内科(消化器) 助手(員外)
-
平成14年1月1日:昭和大学藤が丘病院内科(消化器) 助手
(平成16年4月1日から平成21年6月14日まで出張病院勤務) -
平成21年6月15日:昭和大学藤が丘病院内科(消化器) 助教
-
平成23年5月1日:昭和大学藤が丘病院内科(消化器) 講師
-
平成24年5月1日:小田原市民病院消化器内科(学外研修)部長
-
平成25年5月14日:昭和大学藤が丘病院内科(消化器) 准教授
-
平成28年4月1日:昭和大学藤が丘病院 消化器内科 診療科長就任
-
平成29年4月1日:昭和大学藤が丘病院 安全管理室 室長
-
平成30年3月1日:昭和大学藤が丘病院 消化器内科 教授(員外)
現在に至る
所属学会
-
日本内科学会
-
日本消化器病学会
-
日本消化器内視鏡学会
-
日本胆道学会
-
日本膵臓学会
-
日本肝臓学会
-
日本消化管学会
資格
-
日本内科学会認定医
-
日本消化器内視鏡学会指導医
-
日本消化器病学会専門医
-
日本消化器病学会指導医
-
日本胆道学会認定指導医
-
日本膵臓学会認定指導医
評議員等
-
日本消化器内視鏡学会関東地方会評議員
-
日本消化器内視鏡学会学術評議員
受賞
-
2011年 膵臓学会奨励賞
(「胆石膵炎発症例における副乳頭機能の検討」膵臓26:79-84,2011)
専門領域
-
胆膵疾患の診断と治療